介護業界は慢性的な人手不足になっており、優秀な人材の流出を防ぐために、各事業所は必死だ。そのため、職員が職を辞すると申し出れば、引き止めに合うことも少なくない。しかも、引き止めのされ方によっては円満退職が難しくなる場合もあるようだ。したがって、円満退職をしたいと思っていても、人手が足りていない介護事業所の場合は簡単ではないかもしれない。ただし、まったく円満退職の方法がないのかというと、そうではない。事前に準備を行い、根回しをしっかり行えば、円満退職は可能だ。そこで、ここではどのような準備をすればいいのかについて話してみたいと思う。

まず、円満退職をするための第一段階は、前もって上司に相談をしてみることだ。その際、不満などは一切口にせず、個人的な理由を示すことが大切だ。これは、職場への最低限の礼儀であり、心構えともいえる。ちなみに、退職を申し出る時期だが、少なくとも1ケ月前くらい前にはしておこう。あまり急に退職の話をしてしまうと、事業所側は補充する人員確保が難しくなってしまうからだ。退職をするにしても、職場への配慮を忘れてはならない。

それから、退職時の引継ぎも手抜かりなく行う必要がある。自分の担当していた業務を支障なく後任のスタッフに伝えられるように、業務内容をノートにまとめておくと、後任者も安心して業務を引継げるだろう。そして3つ目は、引継ぎ時には、事業所所有のものはできるだけ早く返却し、自分の私物を整理しておくことだ。これらのことを実践し、無事に円満退職できるようにしてほしい。